昭和薬科大学|患者と医者

身体に不調を感じた時、病院・診療所へ通い慣れていない人(特に若者)はどういう行動を取るだろうか。
知人からの紹介がなければ
?適当にネットで調べて行く先を選ぶ
?とりあえず近所の診療所・病院へ
?とりあえず有名な大病院へ――というのが大方の選択肢か。

いずれにせよ初めての身にとっては、選択の自由はあるが運任せみたいなものだ。

 その点英国では周知の通り、まず?かかりつけ医?(GP)へ――が鉄則。大抵の場合、GPは患者の家族病歴もデータとして持っているし、必要に応じて専門病院へ振り分けてくれるということで適切な対応が期待できる。
ただし約9割以上の患者はGPがゴール、専門病院への紹介は数%に止まるとのこと。「たいした症状でない」と診立てられれば、セルフケアで対処するよう?指導?されて追い返される。

GPの報酬は出来高制ではなく担当地域の人数に応じたもので、また過剰な投薬や医療行為は予算オーバーに繋がる仕組みになっている。
つまりGPは医療リソースを極限まで有効活用していこうとする英国式医療制度の門番の役を担っているとも言えるのだ。
ということで英国では?最初の一歩?が原則として決まっている点は分かりやすいのだが、それ以外/それ以上の選択肢が限られるという点で、患者にとって不都合も生じてくる。特にGPと信頼関係が築けない場合は致命的だ。

 逆にフリーアクセスの日本では、不要不急の受診や?はしご受診?など医療提供者側の負担が問題になってくる。各々のケースで一長一短があるが、医者は患者の信頼に応えられるよう研鑽を積み、患者は社会生活における?良き患者?であるための「患者の嗜み」を学ぶ。それがお互いの幸福にとっての第一歩となるだろう。制度の問題はそれから先だが、まずその第一歩の実現が難しいのだ。

参照元

昭和薬科大学
昭和薬科大学おしえてGOO
昭和薬科大学 アップル教育